粉体塗装とは
通常の液体塗料は、溶媒として有機溶剤や水などを使用している為、火災や中毒などの危険性や環境などへの影響が懸念されます。これらの危険性や問題の主原因となる有機溶剤などを使用せず、100%固形状の粉末塗料(粉体塗料)を使用し、静電粉体塗装法(吹きつけ塗装)、流動浸漬法(浸漬塗装)などで塗装を行う、主に工業塗装に利用されている技術です。
粉体塗装
液体塗装
塗装工程
静電塗装
浸漬塗装
粉体塗装の長所
①公害・災害の発生を抑えることができること
有機溶剤の発散がないので、大気を汚染することもなく、引火しにくい。消防法の危険物の扱いを受けないため、保管や現場管理が容易である。
②1回の塗装で厚く均一な塗膜が得られること
たれ、たまり、ピンホールなどの塗膜不良が発生しにくい。このことは、高度な吹付け塗装技能が必要でないことを意味する。セッティングも不要なため、ラインの自動化も容易である。
③高性能は塗膜が得られること
常温で溶解しない樹脂や、難容性のため利用できなかった高分子量の樹脂が仕様できるので、幅広いニーズに対応する高性能な塗膜が得られる。
塗料損失が少ないこと
回収粉末が再利用できるため、ランニングコストが抑えられる。回収効率は、流動浸せき法、静電吹付け法でそれぞれ80~99%、95~99%ときわめて高く、省資源形塗料である。