「ハイブリッド粉体塗装セミラインシステム」は、電力インフラ工事に対する塗装市場への新分野展開を実現するために開発した塗装システムです。当社ではこのシステムを知立工場で運用しており、「耐食性の精度向上」「受配電盤のサイズ拡大」「短納期化」を可能にしました。
システムの概要
本システムは自動車部品の塗装技術を応用したもので、リン酸亜鉛の最先端薬液であるハイブリッドを採用しています。静電気の力で塗装を行います。主に病院や工場などに設置する特別高圧受変電装置の塗装に活用できます。
塗装の各工程の高度化により処理能力を高めることで「多品種少量生産」に適応し、増加する粉体塗装の品種数に対応しています。
システムの長所
耐食性の精度向上
塗装の前処理工程に、最新のデジタル技術を活用した「濃度センサー」を設置しています。このセンサーによって、薬液をあらかじめ設定した濃度になるように新薬剤と水を自動で投入することができるため、耐食精度が向上します。
受配電盤のサイズ拡大
塗装ブースをはじめ、各工程の設備を拡大することによって、病院に設置している大型の特別高圧受変電装置(奥行き1,500mm×幅1,500mm×高さ2,300mm)にも対応できます。
短納期化
前処理工数の削減によって短納期化を実現しています。また、塗装や乾燥を自動化することで、人員を他の作業に割り当てられますので、生産性の向上とリードタイムの短縮につながります。
その他の特長
塗装の付着を均一化
「手動ガンノードソンアンコール」の使用によって吹付距離と静電荷電圧を自動で割り出し、塗料の付着を均一化できますので、塗装ムラや精度のバラツキを排除することが可能です。
二酸化炭素排出量の軽減
焼付乾燥炉工程では「排熱オートリサイクルシステム」を採用し、熱をリサイクルすることで二酸化炭素排出量を軽減できます。また、製造コストの削減にもつながります。
接触の防止
一般的な粉体塗装の自動ラインでは、製品の移動時に製品同士や製品と設備の接触が起きることがありますが、本システムでは移動を手動で行いますので、これらの接触を防ぐことができます。
新型コロナウイルスへの感染リスクを軽減
各工程の自動化技術や塗装ブースの拡大によって、省人化とスペース拡大を実現し、新型コロナウイルスへの感染リスクを大幅に軽減させます。